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GSX-S1000GT & NC750Xと行くリターンライダーのブログ

GSX-S1000GT インプレ/素人ライダーの購入経緯から7,600キロ乗って感じたこと

2025年1月4日、新年に久々にGSX-S1000GT(以降GT)のインプレを書こうと思い、筆をとりました(表現が古い・・・(;^_^A)

2024年4月にGTを納車、9か月7,600キロを走りました。

ちょっと中途半端な走行距離ですが、新年の節目として綴ります(;^_^A

1年間で10,000キロペース、もう一台保有しているNC750Xも同じくらい走っているので、年間20,000キロペースになりそう。

GWにNC750Xで四国1,000キロ、夏にGSX-S1000GTで3,000キロを走ったのが大きいと思いますが、充実の2024年でした。

最初にお断りしておきますが、スペックの違いなど専門的なインプレは他ブログに譲るとして、大型取得6年目の素人ライダーが乗って感じるインプレになってますので、ご承知おきを。

目次

購入のきっかけ~経緯

購入のきっかけはその前に乗っていたCBR650R(以降CBR)が丸5年で66,700キロを突破、車検の切れ目ということと、このタイミングなら買取可能(値が付く)とのこと。

乗り換えを検討した結果、GTにたどり着きました。

2017年後半に30年ぶりのリターン後、しばらくバイクレンタルして若い時よりバイクがしっくり来た感覚があり、

2019年3月大型取得→4月CBR納車後、年々長距離ツーリングに出かけるようになりました。

当初は関東甲信越、徐々に東北、東海、紀伊半島、九州と遠くに旅するようになり、ロングツーリングを嗜好するように。

CBRはSS(スーパースポーツ)カテゴリーながら、それほど前傾でなく、軽くて曲がりやすくて、大型取得後の最初のバイクとして我ながら良いバイクを選んだと思ってました。

そして意識として芽生え始めたのは「スポーツツアラー」。

次に乗るバイクもスポーティでツアラー的バイクがいいなと。

↓は日本二輪車普及安全協会HPに乗っていたマトリックスですが、「スポーツツアラー」というカテゴリーはありません。

右上のスーパースポーツとツアラーの中間が「スポーツツアラー」に当たると思います。

僕的な解釈の「スポーツツアラー」は「ワインディングも楽しめて、長距離も走れる」なのですが、もっとシンプルに言えば、カウルのついたスポーツ系のバイクで長距離を楽しみたい、ということ。

10代のときに読んだ当時のバイク漫画「バリバリ伝説」や、最初にバイクってかっこいいなと思わされた映画「汚れた英雄」に影響を受け、初めて乗ったのが「FZ400R」でした。

このように振り返ってみると僕の中でカウル付きのスポーツ系バイクが自分で思っている以上に刷り込まれていたようです。

30年を経てCBRを購入し、本当に買ってよかった・・・と思っていたのですが、先に述べたようによりCBRで長距離を走るようになり、ツアラー要素が入ったバイクに関心を寄せるようになりました。

CBRの後継ということでHondaでツアラーを選ぶとするとその代表格はNT1100です。

長距離走行に合った機能、形状の結果、このデザインとなった思われますが、ずんぐりむっくり体形はなんか違う・・・

やっぱり「スポーツ系要素&デザイン」は欠かせないな、と思いつつ検討していたら、GTを見て、「おっ、いいかも」となりました。

※HondaではNT1100以外にVFR800R というスポーツツアラー系バイクがありましたが、生産中止となっており、残念ながら選択から外れました。

ちなみにGT購入の前にNC750Xを増車したのは、山道を走るのが好きになったため。

(CBRで酷道、険道的山道を走ったものです。。。)

ただ、オフロードまでの本格ダート派ではなく、舗装の酷道、険道を問題なく走れる(ちょっとくらいのダートなら走れる)「オンロードアドベンチャー」が自分にピッタリだと。

そのころには自分のコンセプトは「より自然の奥深く、より遠くへ」を明確に意識していたので、NC750XとGTの2台保有はその結果の選択です。

インプレの前置きが長くなってしまいましたが、自分に本当に向いているバイクは何か?好きなバイクは何か?乗っていて満足できるバイクは何か?など、自分のルーツや志向を振り返りつつ、自問自答することがバイク選びに重要だと考えたので、整理してみました。

GSX-S1000GTを試乗して感じた「違和感」よりも「期待感」

購入前の試乗は欠かせない、ということで、まずは販売店での試乗を予約、SUZUKI WORLD多摩店で30分ほど試乗しました。

その時の印象は「これは自分には合わない(乗りこなせない)のでは?」というネガティブな印象が大部分を占めました。

それはそのはずで、前のバイクが「軽くて、乗りやすい代表大型バイクのCBR」であるため、当然の印象だと。

このほか、すぐにはリッターバイクは乗りこなせない、ことや、エンジンのフィールやクラッチの味付けなどは当然のごとく違うこと、そして重量差20キロ、馬力差50㎰・・・など、違いをあげればたくさんあります。

先に書いた「自分の志向」と、この「スペックの違い」のどちらを優先すべきか?を考え、いやいや一回だけの試乗ではわからないだろう、ということで、一日レンタルを予約、じっくり走ってきた結果、パワーや乗りこなした後の楽しさへの期待感、に変わったのです。

そしてGTを乗りこなせたあと、自身のバイクの世界が大きく広がりそうな期待感も抱けたことが大きかったです。

「スペックの違いからくる違和感」よりも「自分の志向」「バイクライフの広がりへの期待感」にかけて、GT購入を決めました。

GSX-S1000GTを乗ってみて感じたこと

今回は単にバイクの持つスペックの違いを超え、HondaからSUZUKIにメーカーチェンジするという大きな変更です。

購入を決めたものの、乗りこなせるのか?だけでなく、好きになれるのか?という不安はありました。

ちなみにCBRとお別れしたとき(Honda dreamに引き取ってもらったとき)は悲しくて切なくてやりきれない思いと感謝の気持ちでいっぱいでした。

こんな思いをGTでもう一度してみたいなぁと。

そんな思いから新しい相棒GTとの付き合いが始まりました。

以下、感じたことを綴っていきますが、CBRとの違いから感じることが前提になってます。

①~④はポジティブ、⑤~⑧はネガティブに感じる内容です。

①エンジン/フィール&パワー

ここでいう「フィール」は直4エンジンもそうですが、純正マフラーおよびエギゾーストシステムに影響される内容も大きいと思います。

最初はCBR650Rとの違和感しかなかったのが、乗るごとにマフラー音だけでなく、リッターバイクならではの図太さも感じるようになり、今では好きな感覚さえ芽生えてます。

パワーに関してはCBR650R:95ps → GT:150pと50ps以上の違いは歴然ですが、重量差も20キロ近くあるため、数値ほどの違いは感じていないというのが正直なところです。

ただ、それは街中やエンジン3000回転ほどの状態のときで、高速などで5000回転以上に回すと、体が後ろに置いて行かれる感覚があるほど。

さすがGSX-R1000のK5エンジンを積んでいるだけあってスポーティな走りを実感できます。

さらに「スズキドライブモードセレクター(SDMS)」も三段階で選択出来て、いつもは真ん中のBモード(ベーシック)で走っていることが多いのですが、Aモード(アクティブ)を選択してアクセルを回すと、獰猛なSSに豹変します。

このあたりの変化はほんと楽しい・・・(^O^)

このスポーティーさが単なるツアラーではなく、グラントツアラーとしているのかもしれません。

②高速での安定性(クルーズコントロールのラクチンさも)

高速での安定感は抜群で、ほかのリッターバイクの経験がほとんどないので、この安定感は当然なのかもしれませんが。

一番心地よいのが4000回転、90キロ台でエンジンに無理をさせておらず、どこまでも走れる感覚があります。

また、クルーズコントロール機能はGT(グランドツアラー)を名乗るうえで必須かなと。

延々と高速走行するときに使うと疲労度が大きく軽減されることを実感しました。

今夏の北海道ツーリングの新潟までの関越道片道300キロ走行時にそのメリットをいかんなく発揮、時折左手だけでなく右手をハンドルから離して休ませることができることもちょっと感動ものです。

ただ、このクルーズコントロールは「速度設定」のみで、昨今の自動車のように前方の車の速度に合わせて速度調整できるものではありませんのでご注意を。

③「案外」曲がりやすい

最初はGTの図体の大きさ、重さで曲がりにくいのでは?という疑いを抱いていました。

それもそのはず、前のバイクCBRはヒラヒラ簡単に曲がる大型バイクの筆頭だからです。

ところがGTをある程度乗ってみると、さすがにCBRには劣り、バイクを倒す意識が必要ですが「ねじ伏せる」感覚ではなく、「あれ、案外曲がりやすいぞ」という印象でした。

諸元表の最小回転半径を見るとCBR→3m、GT→3.1メートルとほぼ変わらない模様。

GTはセルフステアもしやすく、うねうね九十九折りのワインディングも早い時期に慣れることができました。

④デザイン

デザインは好みの部分が大きい要素ですが、最初に見た時から、「おっ、これはカッコいい」と思っていました。

リッターバイクながら、ソリッドな印象で、流行りのショートテールに仕上げたのは好印象。

デザインは理屈ではなく感じること、だと思いますが、性格上うんちくも好きなので、デザインコンセプトをNetで確認してみると、

「デザインコンセプトは『GT Tour de Force』です。スーパースポーツ由来の軽快な車体のポテンシャルをスポイルしないよう、解析と風洞実験も繰り返しました。余分なところをそぎ落とし、最適なエアロダイナミクス形状を追求しました」

今のバイクにエアロダイナミクスはマストなのかもしれませんね。

フロントのライト横からの直線状に伸びる溝など、機能とデザインを意識したつくりになっています。

このデザイン感からするとイタリア人デザイナーかな?と思ったら、日本人でSUZUKIの社員の方でした(^O^)

以降、ネガティブに感じたところを書きます。

⑤取り回しのしにくさ

僕のツーリングコンセプト「一期一会の風景との出会い」のため、走りながらいい風景があると止まって、降りて、バイクの位置を微調整し、撮影する行動が多いのですが、226キロの重さは一苦労。

いつも気合を入れて踏ん張りながら動かしてます(;^_^A

今は50代でなんとかやれてますが、60代後半とかになると厳しくなりそう。

余談ですが長くバイクを乗り続けるために、毎週10キロのランニングを欠かさず走ってますが、ロンツーに必要な体力だけでなく、足腰を鍛えるためにもやってます。

まぁ、この重量だけはリッターバイクの宿命ですね。

⑥クイックシフター「Down」

最近のバイクには装備されていることが多い「クイックシフター」。

これもロンツーの疲労度を軽減する装備で、本当に便利。

ただ、ギアを上げるのに対し、下げるときのギアがやや入りにくく、アクセルワークがうまく出来ていない可能性もあるので、これは慣れてくれば変わってくるかもしれません。

⑦夏のエンジン排熱

これは今夏に経験したことのなのですが、排熱の熱さにはまいった。。。

エンジン温度が100度を超えるとぶーんとラジエーターファンが稼働してくれるのですが、それでも熱い熱い。

高速走行などではそれほど熱くならないのかなと思ってましたが、8月中旬の高速走行ではなんと温度が下がらず、100度を超えたまま走ってました。

当たる風以上にエンジンを回した時に発生する熱と当たる風自体が異常気象による高熱(35℃以上)だからなんでしょう。

時折ニーグリップの逆でタンクから足を離して、見た目はヤンキー走行に映ったと思います(;^_^A

今の真冬は全くに気にならないんですけどね。

夏だけは我慢の季節となりそうです。。。

⑧ほか気になるところ

■通常走行(ロービーム)時が片目ライトなのが昔のバイクと変わらず残念・・・

■悪評高き「Myspin」は割愛します・・・(;^_^A(僕は使ったことはありません)

気になることの続き~グランドツアラー?スポーツツアラー?

この論点は気になっていることのNo.1でして、別の段落で書いてみました。

SUZUKIの中でGTのポジショニングを考えてみると・・・

ロンツー:隼

スーパースポーツ:GSX-R1000

グランドツアラー:GSX-S1000GT

オンロードアドベンチャー:Vstromシリーズ

というラインナップにGSX-S1000GXが仲間入りしました。

GXを出すことが決まっているなら、GXがツアラーとオンロードアドベンチャー、いわばGTとVstromの中間(ツアラー寄り?)とすれば、スポーティーな仕上げにしているGTは、僕の考えるスポーツツアラー的位置づけに振ったほうがよかったのでは?と考えています。

その筆頭はバーハンではなくセパハンであれば、もっとスポーツツアラーっぽくなれたのに・・・です。

 ※ちなみにスポーツツアラー的なドカティ・スーパースポーツはセパハンです。↓の写真の印象以上にラクチンでした(CBRよりもラクチン)

このバーハン設定が一番中途半端に感じているところで、ドカティ・スーパースポーツのように高めの位置のセパハンにすれば、名実ともにスポーツツアラーを名乗れると思うんだけどなぁ。。。

ほか、(グランド)ツアラーを名乗るなら、もう少し高めのウィンドスクリーンにしてほしかった(もしくは高さ調整できる)

※僕は別売りでWRSのウィンドスクリーン(純正比+6㎝、ライトスモーク)を購入しました。16,320円なり(税抜)

そのほか電子制御系はある意味最小限ですが、最大公約数的な内容ですので、価格重視のSUZUKIも考え抜いた結果らしい設定かと。

その分、GXとのすみ分けでGTではなくSTとし「スポーツツアラー」として打ち出してほしかったです。。。

SUZUKIのモトGP撤退、GSX-Rの生産終了などを考えれば、「スポーツ」的要素をなくし、それ以外のコンセプトで生き残りを図っていく考えなのか・・・?

としてもGSX-R1000のK5エンジンを積んだGSX-S1000GTが今ではSUZUKI最後のスポーツの牙城なので、グランドではなく、スポーツの名を冠してそのコンセプトに合った設定にしてほしかった。。。

話がかなり膨らんでしまいましたね(;^_^A

いくつかネガティブ要素もありますが、なんだかんだで、それを上回るポジティブ要素で、購入して3か月ほどで計3,000キロを走ってきた北海道ツーリングはほんと買ってよかったと思いましたよ。

また、最初に書きましたが、全く同じバイクはこの世に存在しないことを考えると、前のバイクとの違いでネガティブになるよりも真の自分の志向を突き詰めたバイク選びが重要なのではないかと。。。

GTを購入し、自身のバイクスキルの成長とバイクライフの広がりを実感できて、今では満足してます。

余談:直営販売店(Honda dream、SUZUKI WORLD)に感じること

余談ですが、直営販売店Honda DreamとSUZUKI WORLDの違いも感じてまして、Honda dreamはジェントルなバイク屋、SUZUKI WORLDはメカニックこだわりのバイク屋、の印象です(^O^)

これはそれぞれ複数人コミュニケーションした店長で感じたこと。(GTを購入して1年未満ですがSUZUKI WORLDの店長は2人目です)

Honda dreamは常に丁寧で無難なコミュニケーション、SUZUKI WORLDはこちらの話を聞くより、メカのことを説きまくる・・・(;^_^A

昨今、以前の(4輪含めて)Hondaらしさが失われつつあるといわれて久しいですが、これまでのHondaらしさ(製品そのものではなく人間中心の考え方)では世界でやっていけないのかなとも思いつつ。。。

かたや両直営店に共通して感じることは、「踏み込んだコミュニケーションをしてこないこと」。

販売効率等を考慮すればいちいち客のプライベートに関わらないほうがいいに決まっているのですが、ここでいう客のプライベートとはバイクライフに他ならないわけで、そのバイク好きの客に対して、この客はこんなバイク志向があるんだ、などわかったほうが真のマーケティングにつながると思うんですけどね。。。

いずれにしても、GSX-S1000GTとNC750Xは当面乗る予定なので、両直営店とは末永くお付き合いしていくつもりです。

以上、GSX-S1000GTインプレでした。

クリティカルなインプレというより、コンセプチュアルな内容も含むインプレとなってしまってますm(__)m

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